というわけで、パリ3日目。
オランジュリー美術館へ
今回の旅の目的は、とにかく絵画鑑賞。
とくに、パリの美術館(自分の行きたいところだけ)はすべて訪れる!ということでミュゼパス4日間分を購入して、パリをぐるぐる。
2日目にはルーブル(ルーブル美術館をさらっと)、ポンピドゥセンター(パリ滞在中2度訪れたポンピドゥセンター)へ。
あ、ちなみにミュゼパスは美術館以外の施設の入場券になったりしますので、要チェックです。
(この記事に書いた→ルーブル美術館「パッサージュリシュリュー」の下見へ)
そして、もうひとつの目的がここで明かされるわけですが…、じつはわたくしピアノを習っているのですが、ショパンの曲を弾くのです。
そんな理由で、ゆるーくですけれどショパンのおもかげを感じてみようかなという思いも乗せながら、パリ散策をしております。
ヴァンドーム広場
朝まだ人もまばらな中、オペラ地区のホテルから歩いて、まずはヴァンドーム広場へ。
この高級宝飾店のならぶ一角にショパンが晩年に住んでいた部屋があるのですが、見学は要予約とのことで。
じつは、要予約であることは事前に知っていたのですけど、今回は行かないことに決めていました。
広場をてくてく歩いて、なんとなくの感じをつかんだら、オランジュリー美術館へ。(早っww
いいんですよ、このへん歩いてたのかなぁとか、ただよう記憶の断片を掴んだらそれでいいのだ。
道すがら、エッフェル塔が見えたよ。
チュイルリー公園内には観光客もちらほら歩いていました。
オランジュリー美術館
さて、オランジュリー美術館。
オランジュリーといえば、上野がモネ展でわいてましたね。
その、オランジュリーです。
印象派およびポスト印象派とよばれる作品が展示されております。
セザンヌ、モネ、ルノワール、ピカソ、マティス、シスレー…なんともまぁ私の好みの作品がぎゅっと凝縮されてますこと!
しかも、朝も早かったからか空いていてゆっくり鑑賞できるときたもんで、ポンピドゥセンターと並びワタシ的パリベスト3に即刻殿堂入りしましたね。
あと一つはもちろんピカソ美術館です。
夏、箱根ポーラ美術館で開催していた「セザンヌ展」を思い出しまして、また充実感を覚えたわけです。
セザンヌ展も、すばらしかったなぁ。
ポーラ美術館の所蔵力もさることながら、借りてきた作品数もすごかった。(完全に素人目で見てるからね!稚拙な言動はご勘弁)
さて、メンドクサガリかつせっかちな私ですが、オランジュリー美術館ではイヤホンガイドを借りてじっくり見てまわりました。
それはオランジュリーに限ったことではないのですが、油のにおいとか、筆のタッチとか、色使いとか…、画家が見た世界を、感銘した瞬間を、その情熱をこめて描いた絵が、何枚も何枚も並んでいるわけです。
エネルギーのるつぼです。
以前「ものっすごいインプット量」と言ったのは単に「並んでいるイメージの数」ではなくて、こういう意味なのですよ。
画家が活きるエネルギーを注ぎ続けた対象がそこにあって、対峙できる幸せ。
その世界に浸れる幸せ。同化できる幸せ。
模写したい。上手く描けないけどね。
そういえば10年前なぜだか「模写」というコトバのひびきに大笑いしていたなぁ。若かった。
関係ないけど、ドラクエの呪文「モシャス」の語源は「模写」なのだろうなと、このとき気づいたぜ。
マティスの絵は安らぐのですよね。
と思ったらやっぱり、マティスは見た人の心をほっとさせるようなものを目指していたらしい。
戦争中で現実はつらくても人の心に光をともすようなものを、と。
私はその精神に激しく同意します。
私にとっての芸術は優美で軽やかで明るいもの。
人々に安らぎと癒しを与えるもの。
ちなみに芸術って、芸術家のものだけじゃなくて、人間の生き様そのものにも言い換えられるとも思っています。
私がヨーロッパに行ったときもやっぱりテロのことも意識していたし、難民もたくさん見たし、色々思うことはあります。
でもそのことを書かないのは単に書きたくないからで、書きたくて書いている人がいっぱいいるからで、むしろ詳しい人や専門家が書いてくれるからなのですよ。
「だから(ヨーロッパに)行かない!」っていう理由じゃなくて、「だけど行きたい!」っていう人の原動力になるほうが楽しい、嬉しいんですよね。
言ってしまえば、日本で交通事故に遭う確率だってバカにできないし、致死率100%の世界で生きているわけですから、好きなようにしたらいいんだよ。
もちろん、できうる限りの危機管理をしつつ。
いやはや。晴れた日のパリ、美しいです。
ちなみに、モネの睡蓮は修復中でした。
地下のミュージアムカフェで軽食をとって、このあとはそのまま歩いてオルセー美術館へ。