※2015年2月の記事に加筆しています。
目次
フランス第2の学生都市、トゥールーズ
トゥールーズ(Toulouse)は、フランス第2の学生都市で、ピレネー山脈ふもとの街です。
ピレネー山脈のペルデュは世界遺産にも登録されており、フランスとスペインの共同で管理しています。
山脈の方は標高が上がるので気温も下がりますが、ふもとのトゥールーズは緯度も低く若干暖かいようです。(5~15℃/2月)
私が訪れたとき、長袖に羽織物で充分でしたが、住民のみなさんは冬の装いをしてらっしゃいました。
「洋服」文化を根本から理解していない日本人にとっては、洋服の着方は自由なのだなと感じます。
日本人の洋服の着方は独特のようです。
和服を「自由」に着ている人をみると違和感を覚えるように、ヨーロッパ人の目線で日本人の服装をみるとおかしいことがあるんでしょうね。
私ですら、幼いころにステイしたカリフォルニアで、真冬にTシャツで歩いているアメリカ人を見た時は衝撃が走ったものです。
トゥールーズマタビオ駅から街の中心部へ
さて、ネットにて誰がしかが「治安が心配なので街の中心部へはメトロで行きましょう」と書いておられましたが、徒歩で敢行してみました。
というのも、地球の歩き方にも別段注意書きがなかったことと、日中でしたので治安の悪さを感じなかったことがあります。
観光案内所で地図を入手するつもりで、重たいガイドブックはホテルに置いて出かけました。
これがのちのち命取りになるのですが…。
地図は短時間でも持ち歩くべきですね。
赤レンガやオークル色の建物が特徴的な街並みです。
同じフランスでも地域ごとに様相が全く違います。
メイク用品のファンデーションの色をあらわす言葉「オークル」は、まさにこの建物の色で、実は土に由来しているのです。
まずは、キャピトル(市庁舎)をめざす
ターミナル駅であるトゥールーズマタビオ駅から伸びる通りをまっすぐ歩いてゆくと、20分ほどでキャピトル(市庁舎)に到着します。
まずはキャピトルを目印に、手前にある観光案内所をめざしました。
が、思いのほか細い道が入り組んでいるので、迷ってしまいました。
道端で地図を見ることは避けたいので、カフェでレモンパイとカプチーノで一休みします。
この組み合わせ、ウェイターに「Perfect!」と言われました。
Cafe Allongé (ホットコーヒー)ではPerfectじゃないだろうなぁ。
日本では一般的な「ホットコーヒー」ですが、彼らにとっては「薄めたエスプレッソ」ですものね。
英語がよく通じます
日も短いので、あまり長居できずに店をあとにして通りすがりのご夫婦に道を尋ねると、親切に目的地まで案内してくれました。
トゥールーズのみなさんはほとんど英語で話してくれます。
フランスではフランス語しか使えないというのは、都市伝説。
確かに、お年寄りなどフランス語しか喋れないという方もいますが、それは日本も同じですよね。
むしろ、日本のほうが英語を喋る人が少ないのでは…。
ほかには、母語(第一言語)+仏語の人も多いと思います。
ちなみにニースでは、イタリア人観光客が多いのでイタリア語もよく通じるそうです。
バスの運転手さんにフランス語で「ありがとう、またね」と言ったら「チャオ(イタリア語のあいさつ)」と返されました。(笑)
さて、観光案内所ですが、私たちが到着したときにはすでに閉まっていました。
案内してくれたご夫婦は、明日の9時から開いているからね、と教えてくださいました。
そしてキャピトル広場まで連れて行ってくれて、そこで別れました。
キャピトルの大広間ではフレスコ画を堪能できます。
もう暗くなりかけていたので、ほどほどにしてマタビオ駅からすぐのホテルへ戻ります。
再び、道に迷う
しかし、再び道に迷います。
もと来た道を引き返すだけなのに、何をどう間違えたのか駅方向からかなり北へずれたところへ。
そしてまた道を尋ね、教えてもらった道にたどり着く前に、ショートカットをしようとしたら、さらにドツボにはまります。
いよいよ本格的に日も落ちかけてきました。
さきほどのキャピトルのあたりなら人がたくさん歩いているので、まだまだ安心ですが、今私が彷徨っているのは人がほとんど通っていない住宅街(しかもちょっぴりさびれた感じの)。
暗がりの路地からは悪党が飛び出してきてもおかしくないような雰囲気で、焦りは増すばかり。
駅のような建物を遠目に見つけて一目散に走ってゆくのですが、近づけば近づくほど駅とは似ても似つかぬ建物で、どうやら倉庫のようでした。
いかに、人間が潜在的に見たいものしか見ていないかが、よく分かります。
普段の心の在り方を振り返るきっかけにもなりました。
目線の先に家族連れを発見!
再び道を尋ねると、歩いても行けないことはないけれど、バスに乗ったほうがいいとのこと。
つまり、バスに乗るほど道を外れていたということです。
その女性、アフリカ系の若い女性によくあることなのですが笑顔が全くない!(笑)
でも、とても親切でした。
何より家族連れと一緒にいられる安心感は何物にも代えがたいのです。
そして、無事バスに乗り、教えてもらったバス停で降りたのですが、そこからも道が分からない。
もうすっかり日は落ちていて真っ暗。
足元を流れている川が、心細さを一層かきたてます。
最後の最後で、英語が通じない!!
そこへ親子らしき男性二人組が通りかかります。
必死すぎる私は、不躾だとわかっていながらもいきなり英語で道を尋ねました。
そしてここでまさかの「ゴメン、英語ワカラナイ…」。
こちらが恐縮してしまうくらい、本当に申し訳なさそうに謝られました。
しかしここで彼らを逃したら帰れなくなってしまう!
と私はたどたどしいフランス語を喋って食い下がります。(笑)
結果、彼らの素晴らしき理解力により事なきを得て、駅まで無事にたどり着けたのです!
無事、駅まで戻ってこれました
駅の明りを見つけた時の安堵感といったら何物にも代えがたかったです。
駅の時計を見上げると、まだ19時前。
日の短い冬は要注意ですね。
日本では終電の時分でも女性がたくさんいますけれど、海外では日没後に女性が独り歩きできる街なんて数えるほど。
そして持つべきものは紙の地図。できればコンパスもあると安心。
それから、いかなるときも落ち着いていられる精神力も必要。
あと、積極的に他人を頼ること、なんでも自力でやろうとしないことも大事ですね。
「他人に迷惑をかけない」という気持ちは素晴らしいけれど、今回たくさんの住民のかたに頼ったことではじめて、彼らの見返りのない親切心に触れることができたのですから。
ホテルへ帰ってきても心細かったので、めずらしくテレビをつけ金曜ロードショーならぬ日曜ロードショー的なものを観ながら、いつの間にか眠りに入っていました。
次の日はルルドへのショートトリップが待っています。
ここでも一騒動あったわけですが、それはこちらの記事にて。
トゥールーズから飛行機に乗れます
ちなみに、トゥールーズマタビオ駅とブラニャック空港はバスが行き来しています。(私の時は、20分ごとに出発、到着まで20分だった)
私はアヴィニヨンからTGVとTERを乗り継いでトゥールーズへ来ましたが、帰りはブラニャック空港からパリのオルリー空港へ。
そのときはじめて利用したのが、LCCのEasy Jetです。
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